目付け

みるという漢字はいくつかあります。
見るは表面的な物を見ることであり、観るは観察することであり、剣道では相手を洞察することを意味しています。
その他にも診る、看る、視るなどもあります。

そこで、剣道の目付けについてですが、古くから「一眼二足三胆四力」と言って、剣道の稽古では、眼の働き、いわゆる「目付け」が非常に大切な要素とされています。

遠山の目付
目は心の窓とか、目がものを言うとか言われるように、人の心の動きは目に現れやすいものです。
そのため、剣道では、相手の目の動きを通してその意志を察知することが必要になってきます。
しかし、これは同時に自分の心の動きも目に現れてしまいやすいことをも意味しています。

そこで、相手のどこか一カ所を注視するのではなく、はるか彼方の遠い山を見るように、相手の構え全体を観て調和がとれているか、どこに隙があるかなどを見破る目を養わなければなりません。これを「遠山の目付」と言い、剣道の稽古や試合においてきわめて大切なこととされています

また、「天地の目付」と言われる先生もおられますが、同じ意味合いと考えます。
更に「観見の目付」は全体を見よ。肉眼で見ず、心眼で見よとの教えです。

ところが、初心者では相手の構え全体をみて打突すると、打突部が的確に捉えられず外してしまうことが有ります。

そこで、動作の一つひとつ毎に目の付け所を分析してみますと、以下のように目の動きも移動するのだろう考えます。
① 構えの段階・・・全体を観て、隙を見破る
② 腰で攻める・・・全体を相手の反応を見極める
③ 右足を出しつつ、竹刀を振り上げる初動時・・・打突部を見る
④ 打突部へ打ち込む・・・・打突部を見る
⑤ 残心を示す・・・全体を見る

コメントする