剣道での声の出し方

剣道ではお腹から、しっかりと声だすように稽古します。

全日本剣道連盟の剣道指導要領で声を出す目的は、

①自分を励まし気力を充実させる
②集中力を高め士気を高揚させる
③相手を威圧し、抑制する
④相手の気の起こりや気の集中くじく
⑤相手を迷わせせたり、動揺させる
⑥相手を引き出し誘う
⑦気剣体一致をはかり、打突の強度や正確性を高める
としています。

この目的の中から、幼少年にも理解できるようにかみ砕きます。

1.「気持ちを集中させる」

稽古でも試合でも相手に立ち向かう時は「怖い」「負けるかもしれない」などの気持ちがあると思います。
この時「やー」と声を出すことで、「怖い気持ち」「負けるかもしれない」を取り除く「相手に集中する気持ち」に変えることができます。
剣道は、一瞬で勝敗が決まるため、この一瞬を逃さないためにも集中力は大切です。

2.「強い力を一気に出す」

人の体は自分を守るため、脳が筋肉の力を少し残して働いていると言われています。
この残している力を少なくする方法として、「声を出す」があります。
「声を出す」ことにより、無意識に100%に近い力が発揮できるようになります。

運動会の綱引きで、ヨイショ!ワッショイ!セーノ!などの声を出しているのは、全力を出すためです。
剣道でも、竹刀を早く、強く振るために「声を出す」ことが必要なのです。

打つときに「面、小手、胴」と声を出すことにより、無意識に筋肉を力一杯出し、より早く、より強い打つことができるようになります。

3.呼吸法 丹田呼吸または腹式呼吸

息を吐くためにはおなかの真ん中にある体幹の一つである横隔膜を使います。
この方法は、「丹田呼吸法」と呼ばれています。
丹田とはおへその下部を指しますが、一般的には腹式呼吸と呼ばれています。
お腹を凹ませながら息を吐く(声を出す)ことで、竹刀を早く、強く、振ることが可能となります。

切り返しを行う際に「一息の切り返し」「最後の面打ちまで声を出し続ける」ように練習をしましょう。
この稽古法を行うと、「打突した後に声を出し続けることでに集中力が切れない」「肺の息を出し切ることによる心肺能力の向上効果」があります。

腹式呼吸の良いところ

「ドローイング」とは、お腹を凹ませる動作に腹式呼吸を組み合わせて、「腹横筋」を鍛えるトレーニングの方法です。
インナーマッスルが鍛えられると代謝がアップするため、脂肪が燃焼しやすい肉体に仕上がります。

ドローイングの正しいやり方
①お腹に空気を溜め込むイメージで息を大きく吸う
②限界まで吸った後、息を止めて酸素を体内に巡らせる
③お尻を引き締めて、体から空気が出ないよう意識する
④膨らませたお腹が凹むように、お腹から思いきり息を吐き出す
⑤の時、おへそを中心に凹ませることで、より効果を高められます
⑥空気を完全に吐き出したら、凹ませた状態で3秒キープ
⑦その後、またゆっくりと息を吸っていく
この動作を5回繰り返し、1日5セット行う

下のYou Tubeを参考にしてください。(広告はスキップして下さいね)

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